扶養控除等申告書(マル扶)に記載された配偶者の情報のみで配偶者控除を適用することはできないのですか?
出演: ・・・M社 経理部 まい
・・・顧問税理士
― M社 会議室にて ―
M社経理部まいと顧問税理士が、打ち合わせを行っています。
年末調整の書類ですが、今年は1種類増えるんですよね?
そうですね。
これまで兼用になっていた、保険料控除申告書と配偶者特別控除申告書が分かれることになりましたからね。
そして、配偶者特別控除申告書は、配偶者控除と一緒になって、“配偶者控除等申告書”となりました。
え?
配偶者控除と一緒、ですか?
そうですね。
“配偶者控除等申告書”には、配偶者控除と配偶者特別控除と2種類ありますね。
でも、いままで配偶者控除は、マル扶(扶養控除等申告書)に記載してある配偶者の情報でよかったのですよね?
ご理解の通りです。
平成29年分までは、そのようになっていました。
でも、平成30年分のマル扶にも配偶者の情報を記載する欄がありますよね?
そうですね。
しかし、そこに記載するのは、配偶者控除の対象となる“控除対象配偶者”ではありません。
給与の源泉徴収をする際に、扶養親族等の数としてカウントする、“源泉控除対象配偶者”です。
あれ?
源泉控除対象配偶者は、控除対象配偶者と違うのでしたか?
そうですね。
違います。
まず、マル扶提出者本人の合計所得金額の範囲が異なります。
源泉控除対象配偶者は900万円以下、控除対象配偶者は1,000万円以下になります。
あ、そうでしたか?
はい。
そして、配偶者自身の合計所得金額の範囲も異なります。
源泉控除対象配偶者は85万円以下、控除対象配偶者は38万円以下です。
あら?
随分と違うのですね。
そうですね。
ですから、マル扶に記載のある配偶者情報のみで配偶者控除を適用するのは難しい、ということになります。
そういうことでしたか。
はい。
配偶者控除等申告書には、配偶者控除あるいは配偶者特別控除いずれかを適用される方が作成して、御社へ提出することになります。
特に平成30年分は初めて作成する年になりますので、みなさん混乱されると思います。早めに書類をお渡しして説明されたほうが賢明でしょう。
わかりました。
それでは先生、説明よろしくお願いします。
はい(苦笑)。
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