やさしい税務会計ニュース
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文書作成日:2019/04/16
絵画を購入した場合の法人税法上の取扱い

[相談]

 私は音楽ホールを運営する会社を経営しています。
 その音楽ホールでは定期的に演奏家を招いて演奏会を開催していますが、そのホールのロビーに、開演前の観客に鑑賞してもらえるよう、絵画を購入しました。
 この絵画の価格は50万円です。この絵画は、法人税法上どのように取り扱われるのでしょうか。


[回答]

 ご相談の絵画は減価償却資産に該当するため、法人税法上の償却方法にしたがって計算した減価償却費を、貴社の法人税法上の所得の金額の計算上、損金の額に算入することとなります。


[解説]

1. かつての絵画の取扱い

 平成26年に法人税基本通達が改正されるまでは、法人が取得した絵画については、美術関係の年鑑等に登載されている作者が制作した作品であるか、取得価額が1点20万円(絵画の場合は号あたり2万円)以上であるか、という基準によって減価償却資産に該当するかどうかを判定していました。

 しかし、著名な作家であっても美術関係の年鑑等に掲載されていない人が多く存在することや、美術関係の年鑑等は複数存在しその掲載基準がそれぞれ異なることなど、美術品等の多様化や経済状況の変化等によって上記の取扱いが美術品の取引実態とは乖離してきたとして、国税庁は平成26年12月に通達を改正し、絵画を含む美術品等の取扱いを変更しました。


2. 現行の取扱い

 改正後は、取得価額が1点100万円未満である美術品等は原則として減価償却資産に該当することとされました。

 また、取得価額が1点100万円以上の美術品等は原則として非減価償却資産に該当するものの、「時の経過によりその価値が減少することが明らかなもの」に該当する場合は、減価償却資産として取り扱うことが可能であるとされています。

 この「時の経過によりその価値が減少することが明らかなもの」とは、次の条件をすべて満たすものなどが該当するとされています。

  1. @会館のロビーなど、不特定多数の人が利用する場所の装飾用や展示用(有料で公開するものを除く。)として取得されるものであること
  2. A移設することが困難でその用途にのみ使用されることが明らかなものであること
  3. Bその美術品を他の用途に転用すると仮定した場合に、その設置状況や使用状況から見て美術品等としての市場価値が見込まれないものであること

 なお、減価償却資産に該当する絵画の法定耐用年数は、室内に飾られるものの場合、8年とされています(ただし、それぞれの美術品等の構造や材質等に応じて異なる場合があります)。

 したがって、ご相談の場合は、絵画の購入価格が50万円(100万円未満)であることから減価償却資産に該当し、貴社が採用している減価償却方法にしたがって計算した減価償却費を、貴社の法人税法上の所得の計算上、損金の額に算入することとなります。


[根拠法令等]
 法令13、法基通7-1-1、耐令別表第一、国税庁「美術品等についての減価償却資産の判定に関するFAQ」など


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